土地の一部を売るには?分筆から売買・引渡しまでの手順
個別の費用や対応を確認したい方は、地域と相談内容から専門家を探せます。
一筆の土地のうち特定の部分を分けて売る場合は、通常、その部分を分筆してから所有権移転登記を行います。共有持分を売る方法とは異なります。売る側と残す側の両方が使える分け方になっているか、契約前に確認します。
図解で整理する確認の流れ
売る範囲を描く
残す部分と道路への接し方も確認する
条件を調整
契約・測量・分筆の時期を相談する
引渡しへ進む
完了した登記と受渡資料を点検する
相談を整理するための図です。実際の手続きや順序は、本文の条件と対象物件の状況に合わせて確認してください。
一部の売却と共有持分の売却を区別する
「東側の100平方メートルを売る」という取引と、「土地全体の持分2分の1を売る」という取引は別です。後者では買主が特定の場所を単独所有するわけではありません。買主の希望がどちらなのかをはっきりさせます。
分筆登記は土地の区画を分ける手続きで、売買による所有権の移転は別の登記です。土地家屋調査士と司法書士、不動産会社の役割を確認して進めます。
残す土地も含めて分筆案を作る
売る部分の面積だけを先に決めると、残地の形が悪くなったり、通路や配管の問題が生じたりします。双方の接道、建物配置、排水、駐車動線などを確認します。
既存建物の敷地を小さくする場合は、建築上の条件にも影響し得ます。分筆登記が可能であることだけを根拠に売却部分を決めず、設計者や行政の担当部署にも確認してください。
契約前に確認する項目
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 売却範囲 | 図面で位置と予定面積を示す |
| 面積差 | 測量後の面積で精算するか |
| 費用 | 測量・分筆・移転登記の負担 |
| 期限 | 分筆完了と引渡しの日程 |
| 未解決の場合 | 境界確認や許認可が進まない場合の扱い |
農地などでは売却や転用に許可・届出が関わります。抵当権が付いている場合も、分筆によって売却部分の担保が自動的に外れるわけではないため、金融機関へ先に相談します。
測量・分筆・所有権移転の順に調整する
調査士が資料と現地を調べ、必要な境界確認を進めて分筆案を整えます。地積測量図などを作成して分筆登記を申請し、完了後の地番や面積を売買の書類と照合します。
その後の決済と所有権移転は、不動産会社や司法書士と調整します。契約の締結時期は案件により異なりますが、未確定の範囲や面積を確定事項のように扱わないことが大切です。
見積もりと納品資料を確認する
費用は、筆数、境界資料、現地条件、隣地との調整などによって変わります。単独の分筆費用だけでなく、必要な測量、地積更正、担保の処理などが別にあるかを確認します。
完了時は、分筆後の登記記録、地積測量図、境界資料を保管します。売る土地と残す土地の杭や通路が現地で分かるよう、不動産会社と引渡し方法を打ち合わせます。
売る部分と手元に残す部分を同時に点検する
一部売却では、買主の希望する面積だけで分筆線を決めると、売主が残す土地の利用に支障が出る場合があります。建物の出入口や駐車場所、道路への接し方、配管や通路などを含め、双方の土地の使い方を調べます。買主が新築する予定なら、設計者にも分筆案を見てもらいましょう。
例えば庭の一部を売る案では、残る住宅の敷地としての条件が変わらないかを検討します。分筆登記を受け付けてもらえることと、双方の土地を希望どおり利用できることは別です。土地家屋調査士に加え、不動産会社や建築の担当者へ同じ案を共有してください。
売買契約の前に確認する事項
| 確認事項 | 関係者と合わせる内容 |
|---|---|
| 売却範囲 | 図面上の仮の線か、測量後の確定した範囲か |
| 面積と代金 | どの面積を基にし、差が出たらどう扱うか |
| 分筆費用 | 誰がどの作業費を負担するか |
| 完了条件 | 分筆、境界資料、引渡しの時期と必要書類 |
| 権利関係 | 抵当権などがある場合の金融機関等への相談 |
| 残る土地 | 通路、建物、設備の利用に支障がないか |
契約に必要な条項や条件は不動産会社や法律の専門家へ確認します。測量前の概略図をそのまま最終図面として扱わず、どの段階で売買対象を特定するかを決めておきましょう。面積や範囲の変更が起きた場合の調整方法も、後回しにしないことが大切です。
測量から所有権移転までの資料の受渡し
調査士には対象地と分筆案、売買や融資の予定を伝えます。分筆が完了すると地番の整理が必要になるため、司法書士や不動産会社にどの資料を渡すかを確認します。従前の地番で作った資料と、分筆後の地番で必要になる資料を混在させないようにしてください。
一筆の土地に抵当権などが設定されている場合は、土地を分けるだけで売却部分の権利負担がなくなると考えてはいけません。金融機関や司法書士へ、売却のためにどの対応が必要かを確認します。分筆の日程だけでなく、権利関係の調整に必要な時間も見込みます。
駐車場の一部を売る場合の検討例
説明用に、所有する駐車場の一部を隣地所有者へ売るケースを考えます。境界線を一本新しく設ければ終わりと見えるかもしれませんが、最初に現在の土地の範囲を把握し、既存の通路や利用契約への影響を調べます。残る駐車区画の出入りや設備が売却部分へかからないかも確認します。
次に、売る範囲を図面で共有し、必要な測量と分筆を進めます。測量で予定面積と差が出た場合は、分筆線を動かすのか、代金などの条件を見直すのかを契約の担当者と相談します。調査士だけで売買条件を決めるのではなく、測量の事実と取引上の判断をつなげる進め方が必要です。
隣の人へ売るなら簡単に済む?
買主が隣地所有者でも、売買する範囲や権利の確認は必要です。相手の土地と一体利用する計画がある場合も、分筆・移転・その後の登記をどの順で行うかを確認します。合筆を予定する場合は別の条件も関わるため、希望だけで決めないでください。
分筆前から売買の相談はできる?
分筆案や条件の相談はできます。ただし、契約でどの段階の範囲を対象とするか、分筆が予定どおり進まなかった場合をどう扱うかが重要です。測量と契約の準備を別々に進めず、担当者同士で未確定点を共有します。
売らずに残す側の図面も必要?
将来の利用や売却のために、分筆後の各土地が分かる資料を保管しましょう。今回売却する側だけでなく、残る土地の地番、面積、境界点、設備等に関する取り決めも確認しておくと、次の手続きにつなげやすくなります。
図解で比べる確認ポイント
売る部分
買主の用途や必要な面積、接道条件を確認
残す部分
建物の利用、通路、設備の扱いを確認
具体例で考える相談の進め方
相談前によくある疑問
持分の売却と分筆して売る方法は同じですか?
同じではありません。共有持分を譲るのか、土地を分けたうえで特定の土地を譲るのか、希望する所有の形を確認する必要があります。
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参考資料
制度・資料の確認日:2026年10月6日。個別の申請書類や取扱いは、物件を管轄する法務局などで確認してください。